• テキストサイズ

君ありて幸福【鬼滅の刃/現パロ】

第5章 俺は好きな女が手放せない件について







「今更か…本当、少しは気抜けば良いのに。」





少し”らしさ”に気を取られていたが
本来の目的を忘れないうちに済ませようと
昨日取り上げられたスケッチブックを手に取った。







「何だこの下書き……。カニバ……か?」







抽象画ではあるが人が人を喰っているのは
しっかり分かるソレは確かに不気味ではあるが
ゾクゾクと背を刺激する何かがあり
それはきっと”才能”なのだろうと認識した。







「…すげぇ、まだ途中なのに鳥肌もんだわ。
…ちょっとまた追い詰められてたんだな……。」






俺はの絵が単純に好きなのもあるが
毎度この部屋に来る度にソレを見るのは
もうひとつとても大切な理由がある。


は自分の不安や恐怖心のような
マイナスのイメージをあまり表面に出さない。

けれどおおよそ普通の女よりは
確実に”色々”抱えているの心境が心配で
唯一ソレが現れる絵を
まるで診察のように俺は繰り返し見つめる。


この不気味な絵は何かの不安なんだろう。

追い詰められた時に描く絵は芸術性は
とても高いのだが本当に素直に
の心情が伝わってきて
俺はソレの原因を探るように
その抽象的な何かを必死で探してみる。



/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp