第5章 俺は好きな女が手放せない件について
□俺は好きな女が手放せない件について
「(またか。いつ腕から落ちるんだろう。)」
何でかコイツは俺が起きるといつも腕から降りて
丁度脇の辺りにスッポリと収まっている。
しっかり抱きしめて寝ているつもりなのだが
毎度毎度そうなるので
俺はそれが派手に不思議で仕方ない。
「(…そろそろこの関係に
見切りつけられんのかなぁ……。)」
絶対に”好き”とは言ってくれないに
俺はだいたい4年くらい、好きをひたすら
伝え続けているのだが、特に最近それを伝えると
少し苦しそうな表情をするので少し我慢している。
可愛い寝顔を楽しんでから、
俺は確認したいことがあるのでそっと
布団から起き上がって本棚へと向かった。
「良くもまぁ。参考書だらけじゃねぇか。
可愛らしい本がマジで1つもねぇ………。」
本はギッチリ行儀よく詰まっているが
その殆どが参考書。そして小難しい文献。
きっとソレに全て目を通しているであろう
は本当に努力家で自分を高める事に
ストイックだと俺は単純に尊敬している。