第4章 私は多分クソ女な件について
「あそ……じゃあ俺は?」
「…居ないと駄目っ!!って駄々こねようか?」
「辞めといてくれ、明日空が海になる。」
「ふふっ、それ面白そう。モーゼの出番だ!!」
こんな風に言う冗談も別に”友達”じゃなくても
楽しいし、自然に笑顔だって見せられる。
「…俺ってお前の何なの?」
私の髪を梳きながら紡ぐ声は少し不安気で
こんな”いい男”の”こんな姿”を見ている癖に
ほんの少しだけいらっとした。
「……天元は私の”モルヒネ”かな?」
きっとこの言い方なら意外とロマンチストな
この人は何だかんだ喜んでくれるんだろう。
色んな誤魔化しを含んだ言葉ではあるが
決して嘘ではないし天元は私の安定剤なんだ。
けれど、私の煙草を取り上げて
優しくおでこをくっつけた彼は
きっとソレを嘘だと思っているんだろう。