第4章 私は多分クソ女な件について
「…阿呆だな…あんな派手なことするからだ。」
こちらも向かずにそういう横顔は
私にとっては酷く見慣れたものなのに
何度見ても”本当に綺麗”だなんて思ってしまう。
「…私にも火…くだしゃい。」
私が”外では我慢している”煙草を咥えたまま
”ライターの火” を強請ると
そっと頬に触れながら
自分の煙草の火を私の煙草先に押し付けて
何も言わずに酷く甘ったるい
”シュガーシェア”をしてくれた。
「良いのか?……楽しそうだったじゃねぇか。
仲良く放課後にカフェデートなんてしてよ。」
火が着いたのを確認してから
私の頬を解放した彼は少し癖のある
灰の落とし方をするから私はいつも
それが気になって何となく手元をみてしまう。
きっとそれに彼は気が付いているんだろう
何年経ってもその癖は治ることがない。
「別に……居なくても生きていけるし。」
”友達”はいなくても生きていける。
それは本当の事で例えば今みたいに
誰かが1人でも傍にいれば耐えられるかなと
私はいつもそんな事を考えている。