第4章 私は多分クソ女な件について
□私は多分クソ女な件について
「……おい、遅かったってどういう事だよ。」
聞き慣れた声に何だか酷く安心した。
合鍵で入ってきた彼はLINEを見て
急いで駆けつけてくれたのだろう。
靴箱に置いてある渋い金色の葉っぱの小皿に
慣れたように車と部屋の鍵を置くと
直ぐに私の方へ寄ってきて優しく頭を撫でた。
「不死川先生にここの下まで送って貰って
……玄弥に近づくなって言われました。」
素直に事実を伝えると少し眉を下げてから
カチカチっ。とライターを鳴らして
酷く手馴れた手つきでタバコに火をつける。
それから私の座る2人がけのソファーに腰掛けて
深く吸った煙をふーっ。と
まるでため息のように吐き出した。