第1章 俺の友達が少ない件について
「(……もう早弁してる。)」
「何だ玄ぞう!!やらねぇぞっ!!!」
「いや、要らねぇよ。朝飯か?」
「早弁だ!!朝飯はカツ丼だった!!」
「カツ丼……朝からカツ丼……元気だな。」
「学食の定食今日は何だろうなっ!!」
「お前良く太らねぇな……。」
隣の席の伊之助も
名前は微妙ーに覚えてくれないが……友達だ。
だから心配なんて要らないんだが
小さい頃の印象の方が強いんだろう
兄ちゃんは度々気にしてくれている様だ。
そんな優しい部分があるから
俺はもう大丈夫だ、と安心して欲しくて
せめて部活と勉強を頑張っていたりする。
「(今、普通に楽しいんだけどなぁ。
けどやっぱり少ない事は少ないんだろうな。)」
「おはよう玄弥!!……あれ?
そのズボンどうしたの?汚れてるよ?」
「……ぁあ!うわぁ、本当だ。(遅かったか。)」
「私、ウェットティッシュあるから
拭いて………あ、コラ動かないでよ!!」
俺の足を抑えてまるで親のように世話をやく
この女は。
俺の……女友達…と言って良いのだろうか、
まあ、異性で1番距離の近いクラスメイト…だ。