第3章 俺は何も知らなかった件について
「……う、うるせぇなぁっっ!!」
「……ず…随分しつこい着信だね。」
俺のちょっとした”カッコつけ”と恥ずかしさを
見事なまでに切り裂いてくれたしつこい着信音は
確認しなくても誰からかだいたい予想は着いた。
「………ゲッ。やっぱ兄ちゃんだ。」
「全然出ていいよ?てか怒られるから出な?」
とりあえず正直色々今はやめて欲しかったが
今出ないと”確実に怒られる”ので俺は仕方なく
通話を押してからソレを耳に押し当てた。
「今と…………あぁ、送ってくつもり。
……ん、んー、西橋公園抜けてる所だけど…。
……え、いいよ大丈…。…え、ちょっ………切れた。」
やっぱり何処にいるのかの確認の電話で
それを教えないと絶対に逆探知をしてくるので
素直に”誰とどこにいるか”伝えたら
兄ちゃんは中々衝撃的なことを言ってから
ブチり。と一方的に電話を切ってしまった。