第3章 俺は何も知らなかった件について
そして一緒に帰るのは初めてだったから
俺の家との家が方向が一緒な事を
この日に初めて知ったんだ。
「街頭が両側から当たるとさ
ほら、こんな風に影が2つに別れるでしょ?」
抜け道の公園を歩いていたら
が唐突にそんな事を言い出して
俺はその影に何となく目を向けた。
「ん、あぁ。そう言えばそうだな。」
2つに別れた影をぴょこぴょこと追いかけながら
唇を尖らせる横顔は小さい子供みたいで
何となく”守りたい”何て柄にもなく思った。
「私、コレがちょっとだけ怖いんだよね。」
「…………なんで?」
そういう顔は珍しく不安気で
その理由がどうしても気になって
少しだけ急かすように俺は理由を聞いた。