第3章 俺は何も知らなかった件について
「あー…。タバコ吸えて、遅くまでやってるとこ
ここくれぇしかねぇからなぁ………。」
少し目線を逸らしてそう呟いた宇髄先生は
スタスタとカウンターの方へ向かって
何かを数点か買い占めると、
貰ったレシートの裏に何かを書いてから
笑顔を称えてまたこちらへ向かって歩いてきた。
「ほら。これやるよ。」
「……え………あ、ありがとうございます。」
「(………何だ?変な顔して………。)」
ソレを手渡されたは
何とも言えない顔でソレを眺めてから
まるで俺から隠すかの様に
胸ポケットにレシートをしまい込むと
またいつものようにニコニコと微笑む。
「先生が居たら”おいた”も出来ねぇだろ。
仕方ねぇから今日は派手に譲ってやるよ。」
「お、おいたってっ!!」
「やだぁ、玄ちゃん真っ赤っ、えっちぃ。」
「ははっ!!食われねぇ様になぁ。」
「…なっ!!何言ってんすかっ!!」
「玄弥なら全然ウェルカムっっ!!」
「お前も何言ってんだよっっ!!!」
適当に俺をあしらってから
宇髄先生は俺達に背を向けてヒラヒラと
手を振るとそのまま何事も無かったように
その場を去っていった。
色々と気になる事は多々あるが
何となくソレは聞くことが出来なくて
適当な話題を楽しくしてから
俺達はそのまま帰ることにした。