第3章 俺は何も知らなかった件について
「実は兄ちゃんが甘いもの好きだから
………買って帰りてぇんだけどさ。」
「不死川先生の半分はギャップで出来てるの?」
「そこは本人も気にしてるから触れるな。
…で、…俺ケーキ屋……1人じゃ入れねぇから。
その………一緒に着いてきてくんねぇか??」
なんだが最近やたらと疲れている兄ちゃんに
甘いものでも買って行こうと思ってたのは
本当の事で、1人でケーキ屋が気まずいのも
本当の事なのだが確実に放課後デートに
誘ってしまった自分にとても焦った。
引き止めた言い訳が
本当にそれしか思いつかなくて
困惑していると、俺の顔を覗き込んだが
見たことも無い程嬉しそうに微笑んだ。
「イートインスペースがあって、
一緒にお茶してくれるなら…もう帰る!!」
どうやら、ケーキを買うだけではなくて
一緒にお茶までするらしい。
コレだと本当に放課後デートになると
ドクっ。とやたらと心臓が煩く高なった。