第3章 俺は何も知らなかった件について
「お前、人間食えんのか!?」
「ばかっ!違うよっっ!スケベな意味だっ!」
「ははっ!美味しそうに見えるのか?」
「す、スケベな意味じゃねぇよっ!!!
それに俺は人を食ったりそういう趣味はねぇ!
……何かよく分かんねぇんだよ、自分でも。」
本当に性的な物では無いのだと俺は思う。
別にカニバリストでも無いし、寧ろそれは嫌だ。
けれどなんと言うかどうしても感じるんだ。
「なんか…喉から手が出そうになるんだ。」
俺のその言葉に善逸がギャーっ!と
汚い高音で叫んでいるが正直どうでもいい。
何だかこの”喉から手が出そうになる”という
言葉がやたらとしっくり来た俺は
その日一日、割とほとんどそればかり考え
結局答えも分からずに放課後を迎えたのだった。