第3章 俺は何も知らなかった件について
□俺は何も知らなかった件について
「えぇ!?ちゃんて一人暮らしなの!?」
「色々大変なのに、頑張っているんだな。」
「そんな気になるなら話しかけろよ。
そんなにお高くとまった奴じゃねぇぞ?」
”屋上で昼食を友達と食べる”なんて
まさに青春らしい事をしながら話していると
善逸と炭治郎がについて聞いてきたので
よく知らないけど親が居なくて一人暮らし
という事を伝えたら酷く驚いていた。
何だか”俺だけが知っていた”のは気分が良くて
あの優しい友達に話しかけて欲しいなんて
思い勧めて見たのだが、興味無さそうに
横で寝転んでいた伊之助まで難しい顔をした。
「何かあいつ妙な感じがするんだよなぁ…。
ゾワゾワ?………ってかゴワゴワってか……。」
心底不思議そうにそう呟いた伊之助を見て
善逸がうんうん。と同意しながら
少し気まずそうに”話せない理由”を話し出す。
「そうなんだよ…変な音もするんだ、何か…。
こう、締め付けられるような嘘つきのような。」
「炭治郎も、何かあんのか?」
音も感覚も分からない俺はそれに対して
なにも言えないのだが、先程から黙っている
炭治郎もきっと何か”理由”があるのだろう。
俺が問いかけると、少し間をとってから
何故か眉を下げて暗い声で”答え”を呟いた。