第13章 皆でお出かけする事にした件について
「…ああいうのが”センス”何だろうなァ。」
2人とも色や選んでいる持ち物は割とシンプルな物なのに目元のメイクだとか、ちらっと見える靴下だとかそんな所に差し色を使っていてやけにこなれている。
「俺、ヒラヒラよりこっちの方がいいな。
あんまり可愛い感じのは…ちょっと苦手だし。」
「(まあ、顔が可愛い系だからメンズ着ても
女らしく見えるんだろうなァ…。悪くねェ。)」
何だかんだ宇髄とはバランスが取れていて、そんなお似合いの2人の後ろ姿を眺めていたらが靴箱の前でなんとも楽しそうに声を上げた。
「ほら靴もっ!!何も気を使ってない訳じゃ
無いんですよ、お洒落はちゃんとしてます!!」
自慢げなその言葉に「女もんの靴かぁ…。」と興味なさげに覗いた俺は目を見開いた。
「おお、ダナーのチェッカーか!!
女にしてはいい靴持ってんじゃねェか。」
「あれ?これ兄ちゃんも持ってたよな?」
「よく分かったな。俺のは”茶”だけどなァ。」
「私、茶色とも悩んだんですよねぇ……。」
「2足は要らねェしな。けどやっぱ黒も良いな。」
女ではあまり履かないであろうマウンテンブーツ。
自分も好んで履くその靴で少し盛り上がっていると後ろから嫉妬にまみれた声が聞こえてきた。
「おい!こっちにしろよ!!
”俺は”絶対こっちのが派手にいいと思う!!」
「確かにっ!!ソレにする!!」
「「(うわぁ、めちゃくちゃわかり易っ!!)」」
なんてわかりやすいヤキモチだろうか。
は気にしていないようだが、宇髄は絶賛俺にドヤ顔をしている。なんて子供なんだ。
そんな事を思ったが、宇髄の選んだ靴もコレまた俺のど世代。なんとも、俺好みの靴だった。