第13章 皆でお出かけする事にした件について
「(…あの匂い…このシャンプーだったのか。)」
頭を洗うために緑色のシャンプーを使うと
ふわっ。と不死川先生の香りがして
この匂い好きだなぁ…なんて思いながら
わしゃわしゃと髪を洗うと何となく
幸せな気分になって思わず口元が緩む。
「(……玄弥も同じ匂い…あ、違うなこれ。)」
お湯で髪を流しながら 一緒に住んでるし
玄弥もお揃いの匂いなのかな?と
考えたが、紫色のシャンプーが目に入り
男性でシャンプーにこだわるのは珍しいな。
なんて思ってそれを手に取って観察すると
思わず ぷっ。と吹き出しそうになった。
「ふふっ、そっか先生は猫っ毛で
玄弥の髪は硬いんだ。なんか可愛いな。」
ほんのり触れた不死川先生の髪は
ふわふわとやたら柔らかかったが
玄弥の髪は見るからに硬めのくせっ毛
両極端な髪質のため同じシャンプーを使ったら
どちらかの髪が犠牲になるから
仕方なく変えているんだろうな。
と2人よく似た顔でシャンプーを選ぶ姿を
勝手に想像してしまい
それは絶対可愛いだろうな、なんて思う。