第11章 お前にキスがしたくなった件について。
「……ほら、コレで良いのかァ。」
酔った女は抱いてりゃ寝る。
そう思っての強請りに応じた
のだが、多分コレは応じてはいけない
やつだったんだと思う。
酔っ払いのは
多分まだ勝負をしているんだろう。
この体制からの攻撃は多分…だいぶキツい。
早く寝かせないと宣戦布告をしたこの女は
俺を嘲笑ってプライドをズタボロに
してくれるだろう、何となく既にそう思う。
「ふふっ、はいっ!!落ち着きます。」
「(変な気ぶり返す前に……早く寝てくれェ…。)」
とりあえず、まだ大丈夫なので
早く寝ろ…と背中をトントン叩いてみたのだが
何か妙にしっくりくる体制を取ってくるので
微妙に落ち着いて来てしまった。
「(暖けェなァ……。)」
酔っ払ってるせいか子供のように
体温の高いは柔らかくて
しつこくないいい香りがして
性欲とか以前に普通に抱き枕として優秀だ。
何となくまたどうでも良くなってきて
少し冷えた手を暖めようと首筋に当ててみた。