第11章 お前にキスがしたくなった件について。
「……んー。…ふわふわする……。」
…うわァ…完璧に切り替えやがったァ…。
と、俺はそれに真面目に引いた。
けどまぁ、確かに正解の攻撃ではあるだろう。
首に手を回しながら少し胸を近づけて
顔を緩ませ幸せそうに酔った声でつぶやく。
コレがまた異様に似合うのは
自分の顔面とキャラを理解していて
どうすりゃ可愛いく見えるか知ってるからだろう。
引きつつもあまりに的確過ぎて
確かに可愛いのは認めざるを得ない。
「そりャ、横抱きにしてっからなァ……。」
憎くもこの毛玉みたいな懐っこい顔は
計算と知っていても見ない方が良さそうだと
とりあえず俺は前を向いたまま
出来るだけ優しく自分のベットに降ろした。
そこでまさかの事態が俺に発生した。
とりあえず現在どっからどう見ても
覆いかぶさって押し倒している状況なのだが
自分の部屋に来たせいで、本当に厄介な事に
頭が……正常に戻ってきた。
負けられるかと喧嘩の様に張り合って
ここまで来てしまったがどう考えても
色々吹っ飛ばしてやりすぎたのは否めない。
というかただの酔っ払いの意地の張り合いだ。
いや、興醒めだと理性が引き戻ってきたなど
思ったが明らかに逆だ、今の方が正常だろう。