第11章 お前にキスがしたくなった件について。
「普通に素敵な人だと思ったんですけどね。
結局試して引っ掛けたらソレですか…?
何か本当に…笑えるくらい興醒めですよ。
不死川先生って結構普通の男なんですね。」
シラケた顔でため息を着いたは
俺を鼻で笑いながらまた言い訳をして
顔を触っていた俺の手をペチン。と振り払った。
本当に胸糞悪い女だと
当初の印象を思い出してぶん殴りたくなったが
この手の喧嘩はこの手の喧嘩で受けてやろう。
屈辱感にも種類ってもんがある
この手で喧嘩売るんならそれで返してやる。
「そんな事言うなら、試してみっかァ?」
「私、本当にくっつくだけですけど良いですか?」
この女も同じ考えなんだろう。
残念ながら、負けず嫌いで
底意地が悪いのはお互い様らしい。
男として抱かれたいと思わせる意地と
女として抱きたいと思わせる意地が
最低の形でぶつかっているが
最終的に負けた方は勝った方に蔑まれて
気分良さそうに嘲笑われるのがオチだろう。
珍しく、面の皮を忘れたの
ニタリと笑った宣戦布告に表彰式の
あの顔を思い出して今回は負けねェと
やたらとヤル気になってきた。
小娘に負ける大人なんて生憎やってねェ。
完膚無きまでに負かしたらァ…。
とりあえず、まずは横抱きでもすりャ
男の逞しさと強引さなんてェのに揺れるだろう。