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君ありて幸福【鬼滅の刃/現パロ】

第2章 俺の弟がモーゼじゃ無くなった件について






「(おぉ、人気者じゃねェか。良かったな玄弥。)」


俺の”意図”が上手くいったか気になって
授業前に教室を覗いたら玄弥が人に囲まれて
困った様に笑う姿が目に入り、つい口元が緩んだ。

あいつは優しいのに見た目で勘違いされて
人に避けられがちだから今の姿にほっとした。



「……不死川先生、本当に不器用ですね。」



せっかく機嫌が良かった俺の後ろから
とても聞きたくない品のいい声が
笑いを含んで降り掛かってきて腹が立った。



「……クソ餓鬼…何でここにいんだよ。」

「チラッと教室から覗いてるのが見えたんで。
授業の前に……一言でも謝っておこうかと。」

「………消えろ。」



あそこまでやっておいて何を謝ろうと言うのか

心底神経を逆撫でするのが上手い女だと思い
素直に感情をぶつけたのに1つもビビる素振り
を見せず、少し眉を下げてから
これまた”手本の様な動作”で俺に頭を下げた。



「晒しあげる様な真似をして御免なさい。
私も先生と同じように本当は玄弥が優しいって
皆に知って欲しかったんです。」

「………何だよ、破けってかァ。」



ハッキリした声を繋げてそう言ったは
顔を上げつつ俺に向かって1枚の賞状を
しっかり差し出して何故か微笑んでいた。


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