第10章 突撃自宅訪問でパニックな件について
「…どうだ寝巻きでも派手に可愛いだろ?」
緩いワンピースの寝巻きを着たは
さっきから毛玉に夢中で、相変わらず
ウィスキーを片手に少し離れた所で遊んでいる。
「…まぁ…センスは……良いよなァ。」
コソッと自慢してきた宇髄に
俺も少し小声で素直に答えてやった。
なんて事ないワンピースなのだが
それが妙に似合っていているのは
客観的に見て多分センスがいいからなんだと思う。
多分は自分の事をよく分かっていて
自分の武器を使うのが上手なんだろう。
見た目も中身も
”自分をどうすればよく見えるか”を
しっかり知っているから
生徒達からも自然とあんな目線を向けられる。
「阿呆みてぇに俺が執着すんのも
分かるだろ?……あんな女何処にも居ねぇ。」
「……ま、確かに偉いとは思うけどなァ。
………俺にはガキにしか見えねェわ。」
自分としっかり向き合った結果がそれだから
俺は単純に偉いとは思うが
とりあえず今のとこ宇髄の言う”女”という
目線には、当たり前に共感は出来ない。
確かに普通ではないが、ただのガキだ。