第10章 突撃自宅訪問でパニックな件について
「…あははっ!不死川…本当に悪かったなぁ!!」
「………怒る気力もねェわ。」
「てかド派手に似合わねぇな、ポメラニアン。」
「毛玉だァ………。名前は毛玉ァ。」
「け、毛玉ァ。か。そうか。」
コイツは本当に能天気だ。
事情を話しても何の悪びれもなく笑って
俺の家の酒をどんどん腹に収めていく。
「私にもお手してくれた!毛玉くん可愛い。」
「こんなのも出来るぞ!!毛玉っ!バンッ!!」
「可愛いーっ!!ふふっ、芸達者だねぇ。」
「毛玉は頭が良いんだ。変な癖は治らないけど。」
毛玉と戯れる玄弥とは
何とも微笑ましくて癒されるが
疲れで酒がすすむ俺と大酒飲みの宇髄のせいで
流石にそろそろ家の酒が切れる頃だろう…。
「…玄弥ァ…もっと…酒持ってこいよ。」
「え、もうお酒無いよ?」
「なら買ってこい…。コレで買えるだけ。
度数高いやつ……。…お前の見た目なら買える。」
「わ、私も行ってきますよっ!!」
「「はココに居ろ、買えねぇから。」」
「正論だァ…しかも既に真っ赤じゃねェか。
流石にその顔の未成年を外に出せねェよ…。」
玄弥は見た目的に買えたとしても
童顔のは確実に無理だろう。
そしてもう既に顔が赤い。
酒に関しては今更な気がして
呑んで良いと伝えたら、ウィスキーを選び
顔は赤くなるが酔ってはいない様子に
酒も強いのかよと不覚にも笑いそうになった。
「ごめんね玄弥……お願いします。」
「ああ、全然大丈夫だよ。
あんまり呑みすぎるなよ?女の子なんだから。」
また頭を撫でて微笑んでから
大人しく酒を買いに出かける姿に
コレは本当に友達なのか?と疑問が沸いた。
どうやら玄弥はに対して
優しすぎて少しキザになるらしい。
何故これには照れないのか俺は本当に不思議だ。
俺ならこっちの方が恥ずかしくなる。
「不死川先生……玄弥をお嫁にください。」
「………サバ読み不良娘にはやれねェなァ。」
とりあえず、もその感覚はあるのだろう
キラキラした瞳で玄弥が出ていったドアを
見つめてそんな事を呟き出したので
とりあえず保護者として断っておいた。