第10章 突撃自宅訪問でパニックな件について
「不死川先生…ごめんなさい。
そろそろ…その…。足元の方に
ツッコミを入れてよいでしょうか…。」
気になるのは俺が1番良く分かってる。
本当に分かってるから
お願いだから言わないでほしい。
「駄目だ。……言うなァ。何も言うなァ…。」
俺も似合わないのは分かってんだ。
けどペットショップの前を通った時に
うるうる見つめられたんだァ……。
あんな顔されちゃァ…なァ…無理だろォ。
しかも言い訳も出来るタイミングだったんだ。
丁度玄弥の入学2日前だったんだ……。
”2日も”俺は……必死に我慢したんだァ。
ちなみに俺は毛玉を買ってから
ペットショップの前を避けて通っている。
「……む、無理です。この”可愛い子”
ひたすら先生の足で腰振ってるんですけど
そろそろ止めたらどうですかねっ!!!!」
が絞め技を繰り出した辺りから
毛玉はあろう事か悪い癖が発動して
俺の足で必死に腰をふっていた。
この癖は…もう治らないんだろうか。
「…本当に…何で俺の家に来たんだよォ…。」
「(…似合わないの気にしてるんだろうな。)」
一応俺にも キャラ ってもんがあるんだ。
玄弥の祝いにこじつけて買ってきた毛玉は
明らかに俺のキャラには合わないが
必死に足に縋り付くふわふわが可愛すぎて
俺にはコイツを止めらんねェんだ……。
もう本当に何で家に来たんだ…。
こっちにもこっちの事情ってもんがあんだよ。