第9章 派手男と雌狸の過去がヤバイ件について
「(寝顔はとくに似てないよね。可愛い。)」
顔も体型も性格も似ていないけれど
私を見る”揺れる目”はそっくりなの。
だから瞳の見えない天元の寝顔はとっても好き。
凄く綺麗で少し幼くて愛しいと思う。
「(私は天元に恋をしたいよ……。)」
こんなに優しくてかっこいい人と
恋なんてしてみたい、そしたら辛くないのに。
私が天元に恋をしたら
きっと私がいつも見たいと思っている
嬉しそうな笑顔を惜しげも無く向けてくれて
揺れる目なんて見なくて良くなって
私も怖いなんて思わないでいられる。
そんな事、とっくに分かってる。