第9章 派手男と雌狸の過去がヤバイ件について
「………コレが普通の時の私の絵です。」
「綺麗だな……お前が描いたのかァ?」
「派手にすげぇだろ、ちゃんと学べば
本当にこれだけで食えると思うぞ、俺。」
芸術はサラサラ分からないが
が描いたらしいその絵は
とても優しげで少し可愛らしい明るい絵だ。
何が書いてあるのかぶっちゃけ分からないが
そんな俺でも何となく印象が伝わるのは
単純に伝えるのが上手い絵だからなんだろう。
「コレが…1ヶ月…あー。エッチを。
我慢した時の絵なんですけど……。」
「……な…なんだこれはァ……。」
「芸術性はこっちのが高いけどなぁ。
絵っていうのは内面が現れるもんだからな。
こういう抽象画なら特にそうなるもんだ。」
気まずそうに見せられた絵は
本当に気味が悪かった。
絵を見て鳥肌がたったのは生まれて初めてだ。
それだけ何かを訴えて来てるのだろう。
宇髄の言うように内面を訴えているのなら
この絵を描いた時は尋常じゃなく
えげつない不安とか恐怖みたいな
マイナスの感情なんだと直ぐに分かった。
それほどまでに人を不安にさせる絵だ。