第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「………がぁぁ!つ、強い、強いですっ!!」
「て、てめェ…この、な、何だこの力っ!!」
「な、なに、何がしたいんですかっっ!!」
「わ、分かんねェ…けど何か負けたくねェ!!」
「い、いや、何に!?何と戦ってんの!?」
「お、お前の馬鹿力と戦ってんだァっ!!!」
「に、兄ちゃんっ!!っ!!
……ちょ、ちょっとだけ隠れた方が良いかも。」
「「げ、玄弥!?」」
あまりの力の強さに目的を忘れて
流石に負けらんねェと押し続けていたら
なぜか唐突に肩で息をした玄弥が現れた。
「まだ、俺と善逸しか気づいて無いけど
グラウンドから微妙に見えるんだよこの位置。」
「「…う、うわぁ、…本当だ。」」
そう言われて確認をすると
確かにこの位置はグラウンドから微妙に見える。
ここは3階だから気が付かれる確率は低いが
見ようと思えば確かに見える。
やましい事は無いが、理由はどおあれ
生徒に授業をサボらせた挙句
顔を近ずけて力任せに押し倒している様にも
見える体制は、流石に色々とアウトだろう。
なので玄弥の言う通り
とりあえず変な誤解を生む前に
見えない位置に小移動する事にした。