第1章 俺の友達が少ない件について
「………学校は学問や部活動だけでなく
人間関係を育み学ぶ場所でもあります。
友達が少ない私は完璧ではありませんよ。
それに、今の私の態度…上下関係としては
本当に最悪です、怒って当然ですよ?」
「……それでも……出来ねェ。」
もし今、に怒るとしたら
本人が言った通り”この態度に対して”しか
無いのだが、何故か兄ちゃんは怒らなかった。
「ならば”私情”で私の友人の努力を
破り捨てた。という事で良いですか?」
「………あぁ、その通りだァ。」
目の前で何が起こっているのだろうか。
謝罪はしないものの完璧にに
言い負かされた形になった兄ちゃんの姿に
静まり返っていた体育館がまた
__ザワザワとざわめき出した。
これじゃあまるで兄ちゃん1人が悪者で
情けなく負けたみたいに皆に見えてしまう。
「不死川が……負けた。」
「………ほんとにド派手な奴だな。」
困り果てているとそんな声が俺の耳に入ってきた。
何かあったら止めようと、とても近くまで
来ていたのだろう。煉獄先生と宇髄先生は
驚愕の声色でそう小さく呟いていた。
「…………くそっ……。」
それから少し遅れてステージを降りようと
歩き出した兄ちゃんの悔しそうな声が聞こえた。
そもそも俺が心配させる事をしたから
こうなった訳で兄ちゃんは悪くない。
確かにやり方はあまりにも乱暴だが
恐らく何か意図があったことは確かなんだ。