第1章 俺の友達が少ない件について
「不死川実弥先生っ!!!
どんな意図かは知りませんが、
私の友達の努力を破り捨てるなら
私の努力も破り捨てて見せてください!!」
「!?もういい!!もういいから!」
「さあ、ご登壇下さい先生。
それともあんな大立ち回りして逃げますか?」
「…………ぐっ。…い、痛えよ。」
流石にそれでは兄ちゃんが悪者になると
必死で止めるのだが、情けないことに
には力では及ばないらしく
軽くいなされて床に押さえつけられてしまった。
「………この…クソガキっ!!!」
「あ、兄貴っ!!待ってくれっ!!」
結局まんまとおびき寄せられた兄ちゃんを
声だけで止めようとするが
ブチ切れ状況の兄ちゃんはの
胸ぐらを掴み無理矢理持ち上げつつ
俺からを引き剥がして
ギロリ。と睨み顔をに見せつけた。
「先生は生徒に対して平等ですよね?
………さあ、どうぞ私のまだ2枚ありますから。
景気よく破り捨てて見せてくださいよ。」
その状態のまま、残りの2枚の賞状を
差し出したは普通に笑っている。
目の前の兄ちゃん何て全く怖くないのだろう
怯える素振りもなく飄々としていた。
それに兄ちゃんは一瞬目を見開いて
眉間に皺を寄せたが、ため息の後
そっとを下ろしてボソッと呟いた。
「お前は……完璧な生徒だからソレは出来ねェ。」
兄ちゃんは怖くて乱暴でも教師だ。
今更と言う人も居るだろうが、
教師として曲げれない部分はあるのだろう。
俺の様に勉強ができてないという理由があれば
それにこじつけて何か言えるかもしれないが、
目の前のには1つも”穴”がない。
誰がどう見ても”完璧な生徒”に対して
怒ることはいくら兄ちゃんでも出来ないらしい。