第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「けどな、何もソコに拘る必要もねェと思うぞ。」
だからあと少し楽になればいい。
「……支えてくれる人は居ねェのか。
さっき言ってた定時制を進めてくれる人も
お前の理解者なんじゃねェのかァ?
そこ頼って、いい具合に生きんのも手だ。
そういうのも幸せちゃっ、幸せだぞ?」
が言っていた”仲良くしている人”は
多分割と察しが良くて金もある大人なんだろう。
の根性は素晴らしいと思うが
辛いならその人に頼って
普通に暮らすのも悪くないと俺は思う。
「…本当に大切にしてくれてるので
その面でも少し考えても見たんですよ。
けど…これ以上深入りしたくないのもあって
色々……なんて言うんですかねぇ……。」
いや、違った、これは駄目だ。
よく考えたら普通の関係の訳がねェ。
もし親みたいに頼れる人物なら
深入りしたくないってのは
言葉のあやだとしてもおかしい。
この根性の塊みたいな女が揺らぐんだ
大切にされているのは本当で
それなりに付き合いも長く信頼していて
割とちゃんと考えてくれる人間。
絶対に”男”だろ、しかも
ある程度ちゃんとした仕事をしてる
年上だなこりゃ。