第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「ははっ、ちょっと疲れてのかもしれません。
ごめんなさい、変な事聞かせてしまって。
これじゃあ同情してくれって言ってるみたい。」
「(なんだコイツ、また謝りやがった。)」
コイツは鋭いんだか鈍いんだか
はたまたわざとすり抜けているのか。
または相当強情なのか。
なんにせここまで来たら根比べだ。
とりあえず今現状不安気なコイツの
本音の部分を意地でもあぶりだしてやろう。
「お前の言う通り結果が全てだ。
例え今は通過点でもお前は結果を残してる。
同情が欲しいんだろうなんて誰も思わねェよ。」
「…………ありがとう、ございます。」
苦戦すると思ったが
案外簡単に決着が着いた。
お礼を言いながら笑うは
目をうるうるとさせて鼻先が赤い。
多分、俺が認めた事を受け取ってくれて
表情で本音を伝えてくれているんだと
何となくそんな風に思う。