第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「まあ、お前の言ってることを実現すんには
ココを卒業すんのが1番だろうなァ。
……………んなの、分かってんだろお前。」
とりあえずソレを伝えるのも微妙なので
その代わりに”進路指導”の続きを
真面目にしてやろうかと思う。
今度は俺の無駄な探りは無しだ。
やっと生徒として真っ直ぐ向き合える。
「ごめんなさい……わかってます。
けどちょっとだけ…本当うっかり。
弱音が零れたんです。こんな事に
時間取らせてしまってごめんなさい。」
せっかくこっちが真面目に聞こうとしたのに
何でそんなに申し訳なさそうにするのか。
少し腹が立つが、仕方ないから許してやろう。
多分、本当にうっかり弱音が零れただけで
コイツは人に頼るのが酷く苦手なんだろう。
「まあ、何か引っかかることが
あったんだろォ?たまには良いんじゃねェ。」
そして、執拗い嫌がらせをする
確実に嫌な教師の俺になぜ弱音を零したのか
それはほんの少しだけ気になる。