第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「(俺は完璧にこいつの事を勘違いしてた。
こんなにちゃんと自分と向き合って
必死に頑張ってるやつは何処にも居ねェ 。)」
は何て強い人間なんだろうか。
自分の馬鹿さも相まって尊敬の念すら覚える。
立ち直っただけではなく
自分の過去を言い訳にもせず
ソレを打ち消そうと努力するなんて
並大抵の神経で出来る芸当じゃない。
ホントなら俺が過去の話をした時に
悲劇のヒロインでもして全て話していれば
俺を説得する事も恐らく出来たのに
それをしなかったのは
過去を事実として受け入れて
それとしっかり向き合って居るからなんだろう。
「結果が全て。結果だけ残してしまえば
私は過去すらも称えられるんです!!!」
どうです?納得ですか?
何て言いながら笑っているが
は何でこんなに強いんだろうか。
見た目なんて本当に玄弥達と同じに見えるし
本当の年齢だってまだ18だ。
ほんとに唯の小娘の癖に
何で笑っていられるんだろうか。
俺の感じた”怪物の様な女”という印象は
どうやらいい意味で唯一の正解だったらしい。
「…お前、本当に強いやつだったんだなァ。」
そんな事をの顔を見ながら考えていたら
”よく頑張ってるな、本当に偉いぞ。”
何て偉そうに思ってしまい
ついうっかり”怪物みたいな女”の頭を撫でていた。