第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「惨めったらしくそれなりに生きても
私が可哀想です。それだけはしたくないので。」
の話を聞きながら
今まで調べた事を紐解いていたら
俺はあの日書いた”メモ”を思い出して
自分の阿呆さに鳥肌がたった。
「(何で忘れてたんだ。……木漏れ日の家。
………………そりゃ聞いた事ある筈だ。
暴力団も絡んだ大ニュースになってんだから。)」
俺はなんでソコは調べなかったのだろうか。
そしたら気になっていた”違和感”が
全部繋がったのに自分は本当に馬鹿だ。
”木漏れ日の家”は
暴力団が資金提供をしていた児童養護施設だ。
それだけでも大問題なのに
そこに居た子供の殆どはものの見事に
洗脳されていて自己判断能力が殆ど無く
中学卒業と同時に犯罪に利用されていた。
そしてその洗脳の手法は虐待。
内部告発によって暴かれた
その悲惨な事実は国も絡んだ問題になって
国会でも散々取り質されていた。
ソレが発覚したのは年齢を考えて
が中学を卒業した数年後だと思う。
そしたら、違和感がピタリと消える。
何がきっかけで洗脳から”抜け出せた”のかは
分からないが、恐らく犯罪歴にあった
自分の店舗の放火をして捕まった
という不可解な事件は自我が目覚めて
何とかソコから逃げ出そうとしたのだろう。
やっと全ての辻褄がピッタリ合った。