第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「久しぶりに飲みました、これ。」
「あんま最近売ってねェからなァ。」
「MAXとコーヒーの間に”甘い”って
付けといたら売れそうですけどね。」
「……うわァ……クソだせェェ……。」
ふはぁ。なんてCMも出来そうな顔で
くそ甘いコーヒーを飲んだは
単純に答えやすい話題ばかり寄越す。
特に考えなくても答えられる話題に
素直に従っていると
俺の缶を返しながらクスクスと笑いだした。
「どんなにクソダサくても私発案で
私が学校で紹介すれば多分売れます。
学生は単純ですから、流行りです流行り。」
俺の顔を覗き込みながらそんな馬鹿なことを
茶化すように言う顔はやっぱり笑っている。
コイツのいたずらっ子のような笑顔を
初めて不快じゃないと思った。
多分、この時に俺は初めて
玄弥のは人としても良い奴だ。が
本当だったんだと心の底から理解したんだろう。
「…はっ。…自信過剰だが、否定出来ねェなぁ。」
何も否定が出来なかった。
多分ほんとにが生徒に
コレはオススメ!!だなんて言ったら
甘すぎて地味に人気のないこのコーヒーも
流行りでバカみたいに売れちまうだろう。
その位、本来学生は単純何だと思う。