第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「まあ、冨岡先生も中々の距離感ですけどね。」
「ありゃ、馬鹿なだけだ。」
固まっている俺にまた気を使ったんだろう。
答えやすい台詞を笑顔で吐くに
今の俺はどう見えてるんだろうか。
何とも滑稽に見えるだろうに
そんな素振りは1ミリも見せない。
「ねぇ、先生。蒸しパンと野菜ジュース
全然合わないから、それ1口下さいよ。」
「…………甘いぞコレ。」
「知ってますよ、口つけないから1口下さい。
この野菜ジュース濃すぎます、本当に。」
本当に苦いのだろう助けを求める様に
俺の飲物に手を伸ばすので
自分のあまりの情けなさに
考えるの放棄しかけた俺は素直に
手元の飲み物を手渡してやった。