第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「別に何もしてねェ奴に怒らねェし、
悪ィと思ったら謝るのは当たり前だろ。」
だからさっきの謝罪も”嫌がらせの続き”
だなんて思ったけれど
何故か本当に悪いと思ったらしい。
これはこれで正直自己中心的ではあるが
謝罪の気持ちが本当なら
私も少しだけ気分が違ってくる。
だからまたちゃんと良い子が出来そうだ。
「なるほど!!その”何も”が難しいだけか!!」
「あぁ!?おちょくってんのかっ!!」
「あ、ありゃ、これもダメでしたか?」
また何時もの顔に戻ったは
多分、玄弥の言う通り
”人としても良い奴”なのだと認めざるを得ない。
多分俺が話しかける意図も全部分かってて
ヘラヘラと上手い具合に交わして
今まで必死に俺の嫌がらせに耐えていたんだろう。
俺はどうやら伊黒なんかより
よっぽど陰険な人間だったらしい。