第4章 とろける極上ローストビーフ 謙信特製梅肉ソースがけ
もっと、と思いながら、名残惜しむように唇を離したのは、もうそれだけじゃ足りないから…
「……謙信様……」
甘えるように名を呼べば、それを待っていたかのように満足げな笑みが浮かぶ。
「ああ、俺も早くお前の中に入りたい……」
衣擦れの音とともに、そこから顔を出した彼の愛棒は、既に十分に起立しながら頭を濡らしていた。
「おいで…」
両手が使えない私を支えてくれる手を借りながら浮かせた腰を沈めていくと、待ち望んだ熱が肉壁を押し広げて這入(はい)ってくる感覚と、それを飲み込んでいく濡れた音に欲情を掻き立てられ、思わず声を漏らした。
「ふあぁっ…きもち、イイっ……」
「ああ、言葉にせずともわかる……締まりが良過ぎて喰いちぎられそうだ」
恍惚と呟きながら、謙信様は徐に律動を始める。
じっくりと私の感触を味わうように…
「っ…あっ…ぁっ…」
だけど、そんな隠微な摩擦ではじれったくて…
もっと確かなものを求めてその動きに合わせ腰を揺らせば、全身を駆け巡る快感に吐息がわななく。
「あぁぁ…もぅ…きちゃう…」
「構うことはない、果てるといい…。だが、一度や二度では済まないぞ……」
それを促すようにズンと強く突き上げられ、無防備に突き出した双房が上下に揺すぶられるのに羞恥を煽られながら、水音と肌のぶつかり合う音が激しさを増す中、私は一気に昇り詰めた。
息を整える間もなく、謙信様はのしかかるようにして私を褥に押し倒した。
そこへ、いま私に果を与えたばかりの愛棒が快楽を呼び戻すように追いかけてくる。
「あぁっ…!」
散々苛められて真っ赤に充血した小梅を吸い上げられて、跳ね上がった背中の隙間に差し込まれた腕に背骨が軋むほどきつく抱き締められる。
突き上げるそれは脳天まで突き抜けていきそうなほど激しくて、呼吸もままならないほど苦しいのに、決して乱暴なものではなくて…
その激しさは、ただ謙信様が己の欲を満たすためだけものではなく、私を最上の快楽へと導くためのものだとわかるから、込み上げてくる想いに突き動かされる衝動が縛られたままの手に阻まれてしまって切ない。
堪らずに、私は喉を切り裂くような矯声を押し殺しながら、必死に喚いた。