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★イケメン戦国★明智光秀と、はぶ・あ・ぶれいく♪

第10章 幸達磨-yukidaruma-


光秀さんに言われた通り、私はお泊り用の荷物を入れた風呂敷包みと、心なしか高鳴る胸を抱え、厩へと向かった。



数日前、野山にうっすらと積もる程度に降った雪は、ここ数日の晴天のおかげでほとんど溶け、思わず肩が竦むような寒さも、青空から降り注ぐ太陽の光が幾分和らげてくれた。


厩の前に着くと、今ではすっかり顔見知りになった光秀さんの白馬は、私の姿を見つけると柵の間から顔を出し、主人によく似た長い睫毛を瞬かせ、そのつぶらな瞳をこちらに向けてくれる。



「おはよう。寒いね……」



白い息を吐く鼻頭を撫でながら、ふと、小屋の横に小さな雪の山を見つけた。

日陰になっていて溶けずに残っていたらしい雪を足で踏んでみると、その感触に懐かしさを覚え、思わず手を伸ばす。

硬めの雪で小さな雪玉を二つ作って重ね、そばに落ちていた小石で目と口をつけ、馬小屋の柵の上にちょこんと乗せる。



(ふふ……かわいい)



そんなふうに浮き立つ気持ちは、懐かしい雪の感触でも、この良いお天気のせいでもなくて…



(どういう経緯(いきさつ)かはわからないけど、今日と明日は光秀さんと一緒にいられるんだ……)




そう思うと、どうしたって心は”晴れ”になってしまう。



(だめだめ。あくまでも光秀さんのお仕事に同行させてもらうんだから。浮かれてる場合じゃない!)



自分を戒めるように、緩む頬をピシピシ叩いて引き締めた。





それからまもなくしてやってきた光秀さんと、一緒の馬に乗せてもらい──早朝、光秀さんは私と数人の家臣を連れ、安土を発った。





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