第8章 婀娜な紅葉に移り香を~アダルート※18禁領域※
「俺の愉しみを隠してしまうとは……意地悪、だろう?」
「楽しみ…?」
「お前が俺に抱かれている時にだけ見せる顔。それが見られるのは恋仲である俺の特権であり、愉しみのひとつだ」
そう言うと、〇〇はますます機嫌を損ねるが、そんな姿も可愛らしいと思えてしまうから、あやす声に自(おの)ずと甘さが滲む。
「俺に愛されいる時のお前は至極幸せそうな顔をする。その顔を見ていると俺も幸せな心地になる……だから〇〇……その可愛い顔を見せてくれ」
勿論、紡いだ言葉の一言一句に嘘偽りはない。
だが、正直な気持ちを正直に口にすれば、〇〇はもう拒むことができなくなることを知りながら言う俺は矢張り──
(意地悪、だな……)
そんな俺の思惑を知ってか知らずか、〇〇はおずおずと顔を覆っていた手を外す。
それをまた隠されてしまわぬよう褥の上にやんわりと縫い留めて、そのまま腰を深く沈めた。
〇〇が果てる度、〇〇のナカで荒ぶる魔羅は質量が増していくばかりで、放っても放っても果てが見えず、ふたりのソコはどちらのモノとも知れない汁でまみれていた。
初めは感じたことのない身体の感覚に戸惑っていた様子の〇〇も、ある時からタカが外れたようにもっともっとと求めるようになり…
(このままもう堕ちるところまで堕ちてしまうのもいいが…)
暫く振りに過ごす〇〇との時間。
(逢えなかった間の話もゆっくり聞きたい。このまま加減を忘れて、また気を失わせてしまうのは少々惜しい…)
そう思い、この辺りで少し一休みさせようと一旦〇〇から己を引き抜く。
「〇〇、辛くはないか……」
汗で首筋に張り付いた髪を払ってやりながらそう問いかけると、突然ムクリと起き上がった〇〇と視界が反転する。
「…〇〇?……っ!」