第8章 婀娜な紅葉に移り香を~アダルート※18禁領域※
「ぅんっ…」
「声を堪えるな。素直に啼け、〇〇……」
「っ…この前は…昼間からそんな声を出したら、お天道様に叱られるって…」
「そんなもの、とっくに山の向こうに沈んだ……見てみろ」
先程まで夕焼けの朱に染まっていた部屋は、いつの間にか夕闇の淡い青に染められていて、藤色をした薄暮(はくぼ)の空には、低く透き通るような月が出ている。
「月ならば、俺たちが睦み合う姿を幾度となく見てきたことだろう。今更、遠慮することなど何もない…」
「でも…っ」
「恥ずかしい、は無しだ」
「っ…」
言い訳を取られて、泣きべそをかきそうな〇〇に思わず目を細めた。
「仕方ないな……」
出来ないならさせるまで、と、もう一度〇〇の唇を吸った。
態と息つく間を与えぬように。
そうして、〇〇が力無く俺の胸を押し返すのを合図に唇を離すと、苦しくて閉じることができない唇の隙間から指を挿し入れた。
「あがっ…」
「噛んでくれるなよ…」
左手の指を〇〇の口内に預けたまま、舌先で滲み出てくる汁を掬い取りながら、裂け目をなぞるよう ぬらぬら 何度も往復させると、指と唇の隙間から甘ったるい吐息が零れ出てくる。
「あはぁぁ…」
声を堪えたいのにできないもどかしさに、〇〇は着物の裾をぎゅっと握りしめながら善がり続ける。
まだ肝心の処に触れずしてこの過敏な反応に、馳走の仕込みは上出来だと確信した。
存分に焦らしたあと、指で淫唇を左右に裂くと ぬちゃ と粘っこい水音を立てて真っ赤な果肉が現れる。
小さな豆粒には触れぬよう、濡れた瑞々しい果肉にねっとり舌を這わせていくと、〇〇の息が荒くなっていく。
芳醇な香りと舌で確かに感じる〇〇の味に思わず生唾を呑んだ。
(これを食にも覚えることができたなら、〇〇との楽しみもまた増えるのだろうが……)
今までも理解しようと努めてはみたものの、長年培った感性とはそう容易く変えられるものではなかった。
だが、それでいい。
俺の"味わう舌"は、こうして〇〇を味わうためにあれば充分だ。