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★イケメン戦国★明智光秀と、はぶ・あ・ぶれいく♪

第1章 君が教えてくれたこと


これ以上、望むことなんて何もないと思った。





途端に、悩んでいたことが馬鹿らしくなる。





ざあっ と風が吹いて、花弁を散らす。




心の中のもやもやが、桜の花びらとともに、吹き去っていく。





晴れやかになった気持ちで、心からの笑みを光秀さんに返した。



「……やっと、笑ったな」



光秀さんの大きな手が頬を包んで、親指が愛おしそうに撫でる。



「ごめんなさい。下らないことでむくれたりして…」

「なに、謝ることはない。お前のどんな表情も俺にとっては可愛いだけだ。……だが、お前は笑顔が一番だ」



頬を包んでいた手が するり とうなじに触れ、決して強くはないのに、有無を言わさない力で捕らえられる。

鼻先が触れるほどの距離に迫った光秀さんの笑顔は、先程の優しいものではなく、意地悪めいていて、鼓動が速まっていく。



「…あ、の…」

「さっきは逃げられたからな…」

「え?…ぅん…」




状況を理解する間もなく重なった唇に、驚いて逃げる腰を ぐい と引き寄せられ、口づけは深くなる。

遠慮なく割り入ってきた舌が口内を味わうように ゆるり と蠢く。

濃厚な刺激に思考まで溶かされ、立っていられなくなって、光秀さんの着物を きゅっ と掴むと、ようやく解放された。



「……矢張り、こっちのほうが柔らかいな」

「…っ、急に、なんで…」

「急ではない。待った褒美を戴いたまでだ。俺にお預けを喰らわせたのはお前だろう?」

「お預けって…」


(さっきのお茶屋さんでのこと…?)


「あれは、そんなつもりじゃ…」

「俺はお前が良い子に”待て”が出来た時は、存分に褒美を与えてやっているつもりだが…」



光秀さんのしなやかな指に すいっ とうなじを撫で上げられ…

ぞくり とした感覚が、これまでの”ご褒美”の数々を脳裏に浮かび上がらせ…

ぼっ と顔が火を噴く。



「それなのに、お前は俺に褒美はやらないと言う。それはあまりにも酷い仕打ちだと思わないか?」




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