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★イケメン戦国★明智光秀と、はぶ・あ・ぶれいく♪

第1章 君が教えてくれたこと


むくれる私を見兼ねて、気晴らしになるだろうと、光秀さんは、私を遠乗りに連れ出した。










二人並んで馬を走らせる。

雲ひとつない真っ青な空の下、髪を掻き分ける春の風が心地良い。










──暫く走った後。
馬の休息も兼ね、私たちはお茶屋さんで一休みすることに。

店先に設けられた長椅子に並んで座り、お茶と鶯餅をふたつ頼んだ。



「おいしそう…。光秀さんも、どうぞ」



きな粉がたっぷり塗された鶯餅が乗ったお皿を、光秀さんの前に差し出す。



「俺はいい。お前がふたつとも食べろ」

「だめです。美味しいものは一緒に食べないと」

「味はわからないぞ」

「知ってます。一緒に同じものを食べるのが大事なんです」

「お前が食べさせてくれるなら、喜んでいただこう」

「…また、そういうことを…」



からかわれていると分かっているけれど、やっぱり一緒に食べたくて…。

辺りを見回し、人目がないことを確認してから、きな粉が零れ落ちないようにそっと一つ手に取って、おずおずと光秀さんの口元に差し出す。

私の手からひと口齧った光秀さんの口元が綻ぶ。



「……柔らかいな……だが、お前の唇ほどではないな」



そう言って、残りの分をひと口で食べ切ると、仕上げのようにきな粉がついた私の指を ちゅちゅっ と舐め取る。



(……っ)



指先から甘い痺れが伝わって ふるっ と背筋が震える。

そして、その照れ隠しに適当に投げた言葉が墓穴を掘った。



「…お、お餅の方が…柔らかい、と思います、けど……」

「そうか……どれ、確かめてみるか」



すっ と伸びてきた指先が顎を掬いあげる。

私は瞬時に危険を察知し、光秀さんから距離を取り、お皿の上のお餅を慌てて頬張った。



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