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★イケメン戦国★明智光秀と、はぶ・あ・ぶれいく♪

第3章 狐の恩返し~狐目線~


───朱く染まる景色の中を、いつもよりも歩を緩めて御殿に続く道を行く。








己の義を貫くため…

泰平の世を築くため…

どんな悪行も厭わず、自ら闇に身を投じ、この世の醜いものを数多見てきた。

そんな荒んだ日々のなかに、ある日突然転がり込んできた〇〇。

その眩いほどの光で、真っ直ぐなその眼で、純真なその心で、忘れかけていたこの世の美しいものを、〇〇はもう一度、俺に見せてくれた。

捨てた筈のものを、もう一度見せてくれた。

(それを俺は本当に心から感謝しているんだ……)


今まで〇〇には、嘘偽りを幾度となく吐いてきた。

鉄砲の成果の褒美などと、いくらでも偽の理由をつけてやることはできるが…

この贈物は、〇〇への嘘偽りのない、感謝の気持ちを込めたものだ。

そこには、どんな嘘も塗りたくはなかった。

恩義などという、俺の身勝手な想いなど、お前が知る必要はない。

だから、〇〇にとってこの贈物は、理由のない贈物でいい。

贈物に込めた真の理由は、俺だけが知っていればいい。

欲しがっていた小箱を手にしたことを、ただお前が喜べば…

それでいい。








誰に言うわけでもない言い訳をしていると、微かに地を蹴る音が聞こえてくる。



どうやら、問題は解けたらしい。



(……流石、俺の教え子だ)



静かに笑みを浮かべるのと同時に、焦った声が名を呼ぶ。



「……っ、光秀さんっ!」



嘘のない笑みを、いつもの腹の底の読めない笑顔に貼り替え、振り返る。



「どうした、何かに追われているのか?」



〇〇は、俺の軽口に反論することもせず、手にした小箱をこちらに掲げてみせる。



「はぁ、はぁ…これ……光秀さん、ですよね?」

「……はて、何のことやら」

「どうしてっ……直接渡してくれれば……」

「さっきから何をわけのわからないことを言っている」

「わかってるんですから……光秀さんだって」

「何を根拠に?」



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