第11章 【寸話/18禁】化粧直し
「……ごめん、なさい……」
「謝るということは……後者、ということでいいんだな?」
「……怒ってますか?」
「いいや。『妬かせたい』と思うのは、それだけお前が俺を好きだという証だろう?他の男に妄(みだ)りに触れさせるのは癪だが、いじらしいお前のその気持ちには……悪い気はしない」
『悪い気はしない』、光秀さんがそう言うなら、たまにはこんな悪戯をしてみてもいいのかな…そんな思いが芽生えて──
「まあ、俺を妬かせた代償に、お前はこうして抱き潰されることになるが……それでも構わないなら、俺はいつでも受けて立つが……?」
──すぐに引っこ抜いた。
鏡の中で不敵に笑う光秀さんを見て、二度とこんな身の程知らずな悪戯を仕掛けることはやめよう、そう心に誓った。
「さて、〇〇。俺に抱き潰される覚悟はできたか?」
乱雑に脱ぎ捨てられた着物の上に組み敷かれ、嗜虐的な微笑が私を見下ろす。
「えっ!?待って…」
「いま十分待ってやっただろう?」
迫る光秀さんの胸を力無く押し返しながら、さっきまでの時間が単なる休憩時間だったことに愕然とした。
あんぐりと開いた口が塞がらないまま固まっていると、その手を取られ顔の両脇で縫い留められる。
「あの程度で音を上げられては、お話にならないな。俺を妬かせた罪は重いぞ?……今宵は俺が満足するまで付き合ってもらう、観念しろ」
「ぁっ…」
すぐに光秀さんの腰が深く沈んで、彼のその形にすっかり馴染んでしまった恥口が嬉しい悲鳴を上げる。
もう頭の天辺から足の爪先までくたくたな筈なのに、大好きなひとに触れられれば、無条件に身体は悦び喘いで、貪欲にその熱を求めてしまうからどうしようもない。
あとは快楽に身を任せれば、カラダは本能の赴くまま──