第2章 君といたい
『ど、どこに向かっているんですか?』
何も話さない蛇柱様にどこに向かっているか話しかける。
「黙れ」
いつもより低い声で、怖気に押し黙る。
蛇柱様が掴む力が強くて、手首が痛い。
そのまま手首を引かれながら歩くと、蛇柱様の屋敷が見えた。
そして敷地の中に入る。
──どうしてここに?
「入れ」
怖くて黙りながら屋敷の中に入る。
「着いてこい」
言われたとおり蛇柱様の後を着く。
広間に立ち止まったと思えば蛇柱様に押し倒された。
『っ……』
すぐさま起き上がろうとするけれど、出来なかった。
蛇柱様が、私の上にまたがって来たからだ。
蛇柱様の瞳と合う。
左右違う色をしている瞳が私をうつす。
蛇柱様の瞳を見ると、どこか蛇の目をしているように見える。
その目が私を睨みつける。
「お前には仕置きが必要だな、他の男に目移りして。」
『え、え…?』
そう言われて困惑する。
状況が上手く理解出来ない。