第2章 君といたい
炭治郎くんと話が話し終わって、蝶屋敷から帰っている途中に声を掛けられた。
「四月朔日」
声のした方を見ると目の前に居た。
声の主は蛇柱様だった。
久しぶりに顔を合わす。
と言っても1ヶ月くらい。
蛇柱様は私の方に近づく。
「何をしていたんだ」
『えっと、蝶屋敷で炭治郎くんの様子をッ───!?』
蛇柱様は急に私の胸ぐらを掴んだ。
「今日何があるか覚えていないのか?」
『え、?』
素っ頓狂な声がでた。
「昼過ぎにおすすめの食堂に連れていくと言っただろう」
『い、いつですか?私そんな約束した覚えが──』
「とぼけるな」
胸ぐらを掴む力が強くなった。
全く身に覚えがない。
『も、もしかして、恋柱様との約束じゃ……』
「そんな訳ないだろう、しっかりとお前に話した」
『でも私──』
「俺との約束を破り捨て、他の男の所に行って、それに嘘までつくのか」
柱が言うから本当の事なのかもしれない。
私が覚えていないだけで、約束はちゃんとしたのかもしれない。
飛んだ失態だ。
約束してない、という自信がなくなって視線が下がる。
『申し訳ございません…』
「そんなに竈門がいいか」
その声ではっと顔をあげると、蛇柱様は私の腕を掴んで何処かに向かい始めた。