第2章 君といたい
『気を失って何週間も起きなかったって聞いて心配したけど、目覚めて良かった』
「心配かけてごめんな」
私は炭治郎くんの言葉にううん、と頭をふった。
「泣かないでくれ……」
炭治郎くんに言われて気づいた。
いつの間にかポロポロと涙を流して泣いていた。
炭治郎くんの手が私の頬に触れる。そして頬に伝っていた、涙を拭いた。
『炭治郎くん……』
私が彼の名を呼ぶと
「わっ、悪い!勝手に触れて……」
あわわと焦って謝る。
『ううん……』
実を言うと、凄く嬉しい。
炭治郎くんにもっと触れてほしい。
炭治郎くんじゃなきゃ嫌だ。
私だって勝手にそんな事を思っている。
──ああ、好きだな……
恋仲でもないのに、触れてほしいとか思うのは悪いけど好きだと思うのはダメじゃない。
炭治郎くんは私の髪を撫でた。
びっくりした。けど、嬉しい。
『ありがとう…』
私はぽつりと呟いた。