第1章 iw×fk
岩本side
「俺は……お前の……!」
”ことが好き”
たった5文字だけど言っちゃダメ。
ふっかの人生のため……
ふっかはきっと俺のことが好き。
つい最近気づいた。ふっかの目線、仕草…
俺にとってのもう1人の自分だからこそ、昔とは違う少しのふっかの変化に気づいてしまった。
そして何とも思っていなかったはずの自分も、妙にふっかのことが可愛く見えてきて……
いつの間にかふっかに恋をしていた。
でもこの想いをふっかに伝えるつもりはない。
俺と付き合ったとしても、結婚はできないし子供も作れない。
それと何よりも世間にばれたときのリスクは、女性と付き合うよりも大きい。
ふっかが好きだからこそ、ふっかには普通の家庭を作って幸せになって貰いたいんだ。
でも目の前でこのトロンと溶けた瞳でふっかに見つめられると、理性を失いそうになる自分がいる。
「ほら、ベッド戻るよ?」
寝室に向かおうとすると、後ろから不意にTシャツの裾を引っ張られて…
深「もーいっかい…さっきのして…?」
突然口を開いたと思ったら、とんでもないこと言ったじゃん……。
さっきのって……ハグってこと?
「さっきのって……」
深「ぎゅ〜〜って」
ん?こいつは俺をどうしたいの?
もう俺、理性保てなくなるよ…?
要望通り、ふっかの腰を抱き寄せ上から抱きしめた。
「これでいい?」
深「うん……。これがいちばんおちつくの…!」
ふっかは少し顔を上にあげて、俺を見つめながら笑顔で言ってきた。