第2章 蕾
太陽も登り切って、空には快晴の青空が広がっている。
季節風の冷たさが肌に痛い。
その風を自身のチャクラ属性を利用して凌ごうと試行錯誤していると、隣にいたマダラ様が声を掛けてくださった。
マダラ「風遁使いだったな」
雪華「はい」
うちは一族では風遁は珍しいので、やはりこの方も知っていたらしい。
マダラ「なら俺の後ろに着け。風遁と火遁で試したい事がある」
雪華「わかりました。」
まばらに集い始めたうちはの忍たちをマダラ様は一人ひとりじっと観察しているかのように眺めていた。
群衆の中からこちらへ駆け寄ってくる男性が一人。
うちは ヒカク
ヒカク「マダラ様、もうじきすべて揃います」
マダラ「ああ。 揃い次第向かう、道順を先頭と確認しておけ」
ヒカク「了解しました。」
私はその会話を聞いて、自分も行きは先頭での配置だったことを思い出しヒカクさんの後を追いかけた。
実は。
ヒカクさんは、私が幼かった頃に戦場で何度か助けてもらっており、うちは一族で私の家族以外唯一私が女であることを知っている人物である。
面倒見がよく世話焼きなヒカクさんは私が今唯一頼れる人であり、この人を本当の兄と思っている。
良く『作戦会議』『反省会』と嘘を上手くヒカクさんが作ってくれて、辛い事や、痛かった事を話す。