第6章 慈しみ
扉間が横たわるマダラに刀の切っ先を向ける。
扉間「終わりだ、マダラ」
柱間「待て扉間」
それを制し、柱間はどかりと腰を下ろした。
そしてどこか思い浸る様な眼差しをマダラに向けた。
扉間「なぜ止める兄者、今ならこやつを」
柱間「手出しは許さん」
と、今だ刀をマダラに受け続けていた扉間を柱間が睨む。
その眼差しは誰もが怯み、従う忍の神の怒気。
マダラ「一思いにやれ、…柱間。 お前に、なら・・・本望だ」
柱間だからこそ、唯一マダラの認める男なら、それならば多少の未練があっても、潔く逝ける。
自暴自棄などではなく覚悟の上だった。
マダラは頭の中で、ヒカクを思い出し一言誤りを入れて自虐的に笑った。
柱間「かっこつけても無駄ぞ。長であるお前をやれば、お前を慕う若いうちはの者がまた暴れだす」
マダラ「…そんな、俺を慕う奴なんざ・・・いねーよ…」
一人の女の笑顔が、マダラの頭を過る。
体は痛みからか石の様に動くことは叶わない、だからマダラは目だけを動かして遠くから悲しい顔をする男を見やる。
柱間「いや。 必ずいる。」
一人だけ、悲しんでくれる奴がいたか…。
もう泣かないとあれほど言っていたが…仕方のない奴だな。