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さくら

第5章 開花


 
 また半年がたって。

 環境が180度変わった。
 
 生活の面では誰かと共に食事をとる事が日常となった。

 毎朝マダラ様より早く起きて朝食の準備をする。
 マダラ様が起きてくるまでは庭や玄関の掃除、だだっ広い屋敷の廊下で雑巾ダッシュをしたりする。

 起きてきたマダラ様と朝食を共にする。

 基本的に食事中はあまり会話はないが、一日の行動を互いに把握したり、思い出して話を持ち出したりもする。

 笑顔が増えたんじゃないかって一度マダラ様が言っていたけど自分でもそうなんだろうなと思う。


 昼は外食が主立つ。

 頭領としての仕事があるマダラ様の側で偽りの自分を装い側近の仕事を全うする。



 最近は嬉しいことにうちはの忍たちと会話をするようになった。
 側近として話すことがあるが、世間話もするようになった。


 どの忍が強いか、あそこの家の娘は可愛い、マダラ様はいまだ婚姻さえ結ばんとは。
  と様々な言葉を交わす中で、やはり私の家の人間の話を耳にすることもあった。


 「確かうちはトウキの次男坊が先の戦いで致命傷を負ったらしいな。」


 「ああ、なんでも父親に盾にされたらしいな」


 「らしい、ではなくそりゃ本当の事だろうよ」



雪華「(次男坊か…)」


 やはりあの父の事だろう。
 やる事が異常者だ。

 「お前確かトウキの所の末っ子だろ?」

 
 そう聞かれて戸惑うのは仕方がないと思ってほしい。

 周知の事実である血縁関係と、知られてはいけない自分の姓があるから。



雪華「あ、ああ」



 「良くお前はまともに育ったな!」

 と、豪快に肩をバシバシと叩かれた。



雪華「そ、そうか?あまり家族とは話すことが無くて実感がないな…」


 苦笑いなのも、仕方がない。



 「まぁお前は兄貴たちと違ってちと女々しいところがあるからな。」

 首をうんうんと傾げながら、そう話すところを見れば、かろうじて自分を男ではあると認識してくれているのだろう。

 「そこが兄貴やおやじたちとちげーんだろうよ」



雪華「女々しいとは手厳しいな…」


 「だが頭領も認める腕の立つ忍っつーとこは知ってからよ!」


 「自信持て!」



雪華「ああ‥ありがとう」


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