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さくら

第4章 変化



 ある日、マダラ様の自室で仕事を手伝い、休憩に団子とお茶を用意した。

 そしてだんらんと会話をしていると、どこか遠くを見て何か思い悩むようなしぐさをしていたので、聞いてみた。



雪華「マダラ様、いかがなさいました?」



 聞くとすこし時間をおいて、穏やかに、けれどどこか激情を込めて話を始めた。



 過去に一度、千手柱間とは姓を名乗りあわず、水切りのライバルであった事を話してくれた。

 その時に、“馬鹿馬鹿しい”夢を話し合った事、今でもあいつは諦めていないであろうという事、柱間がどういう人物であるか。

 マダラ様にしては珍しく饒舌に話をいていた。
 

 最後に、俺は諦めた夢だがな、と言うマダラ様は開いた窓から秋風を感じていた。



雪華「(この方は、やはり優しい、…強くて、優しくて、‥‥とても寂しがり屋なのかもしれない。)

 マダラ様、お茶が冷めてしまいましたね。入れなおしましょう」



マダラ「ああ」



 いずれ来る終戦。

 どうかこの人がまた親友と笑い合える時が、馬鹿馬鹿しい夢物語が叶う時が来ることを、願う。



 新しく入れたお茶には茶柱が立っていた。



雪華「マダラ様、良いことがあるかもしれませんね」



マダラ「・・・そうだな」


 その時のマダラ様は珍しい笑顔だった。


忘れもしない。
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